欧州初の慰安婦像設置への無策と怠慢: 外務省・在独大使館・ミュンヘン総領事館は何をやっていたのか!(追補版)

追補

ヴィーゼントの慰安婦像は遅蒔きながら、駐独大使の事後活動により、撤去の可能性が出てきた模様です。しかし、外務省・大使館・領事館はこうしたことをもっと早くから注視し、事前対処すべきです。生じてしまった事象(不始末!)の後処理をするのは余計な摩擦を生じ、結果も見通せません。

下記のように、慰安婦像問題は構造上、今後もイタチごっこになるでしょう。原因は、河野談話からH27末の慰安婦合意まで、一貫して、日本政府が以下の「汚辱3点セット」を認める旨を公言し、文書化しているからです:①日本の軍と官憲の関与、②強制性、③現日本政府として反省・責任痛感。このセットに対して半島筋、国内売国者、支那は幾度も「慰安婦問題」を仕掛けて来ます。

我々日本人は先ずこのことを良く認識し、先達と子孫達のために、この汚辱三点セットを政府に否定させなければなりません。


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1.欧州初の慰安婦像設置と外務省・大使館・総領事館の無策と怠慢
設置されてしまった場所はバイエルン州ヴィーゼントのネパールーヒマラヤパビリオン(Der Nepal-Himalaya-Pavillon, Wiesent)です。この公園を主宰する財団Die Nepal-Himalaya Stiftungの背景に何があるのかは不明ですが、こうした「アジア系財団」の動向把握と対応策案出は今後とも極めて重要です。でも政府外務省・在欧大使館以下は恐らく何もせず、放置し、他所にまた建てられたら「残念だ(今回の外相のセリフ)」で済ますのでしょう!

昨年フライブルクFreiburg im Breisgauで設置の動きがあった際は、外務省ではなく、松山市の尽力で阻止できました。この経緯を念頭に置くならば、外務省・在独大使館・ミュンヘン総領事館・はその後の蠢動を十二分に警戒し、対抗策に務めるべきでした。でも、この連中は「まったく何もしてこなかった」ということです。ほとんど国賊と言って差し支えありません!
 
2.外務大臣コメントで予想される欧州での慰安婦像増加
岸田外相のコメント(ネット)に皆様は驚かなかったでしょうか?同外相は慰安婦像をめぐる動きは極めて残念だ。引き続きわが国の立場について説明していく」だけで済ましています。

http://www.jiji.com/jc/article?k=2017031000446&g=pol

当初、このセリフの「生ぬるさ」に驚き、腹が立ちました。この調子では、欧州初めての今回の設置を皮切りに、ドイツ国内の他所や
EU諸国に慰安婦像がどんどん設置されて行くことを覚悟せざるを得ないでしょう! 外国移住指向が強い韓国人は欧州の至る所に盤踞していますから。

しかし、よく考えてみると、宮沢政権から現政権に至るまで、政府・外務省は一貫して本件について同じ対応をしてきたことが分かりました。それを以下に記しましょう。
 

3.岸田外相のいう「我が国の立場」における日本政府製造のおぞましき三点セット: 1)軍と官憲の関与;2)強制性;3)現日本政府としての詫び・反省・責任

岸田外相以下の外務省は「引き続き、何をどう説明」しようというのでしょうか?国内の日本人は以下を知るべきです。岸田・外務省の連中が言う「我が国の立場」の核心は、下方付録に挙げた2文書です。

これらの公表文書を見ると、平成4年の「河野談話」から平成
27年末の「日韓合意」まで、1)日本の軍と官憲の関与、2)強制性、3)現日本政府としての詫び・反省・責任の三点セットは恐ろしいまでに一貫しているのです。

一般の日本人は殆ど無関心であり、保守系日本人の方も現政権への贔屓のためか、その多くがこの一貫性に気付いていないようです。
 
4.河野談話~日韓慰安婦合意で政府が公言・文書化したことの客観的意味
岸田外相の言う「我が国の立場」というのは、「①一貫してこの三点セットを事実として認めた上で、②元朝鮮人“慰安婦”に対して応分と考えられる補償措置を採ったことを、慰安婦像等が問題となる度に世界に向けて説明する」ということです。

政府・外務省・慰安婦合意支持の保守系の方々は②のみを対象に、不可逆だの、安倍首相・政権の賢明さだの、韓国は以後文句を言えないだのと言っているに過ぎません。問題の根源である「①を事実として認めてしまっていること」の罪深さと恐ろしさを意図的に封印あるいは気付かないでいます。自己保身の売国、あるいは欧米世界では考えられないような愚かさと思います。
 
5.日本政府自体が慰安婦像設置の根源:H27.12日韓合意による末代までの国辱
上記三点セットを歴代政府・首相が一貫して認めてしまっていることは、日本人を子孫末代まで貶めることですし、慰安婦像の設置運動は欧・米ほかの世界各地に増殖し続けるでしょう。何故なら、慰安婦像=statue of peace/comfort womenであり、その正当性の起源=三点セット」を当の日本政府・首相が繰り返し一貫して認め、彼らに与えてしまっているからです。

「米国も承知の日韓合意」とか「韓国は蒸し返せないはず」とか何とか言っても、所詮、日本人に特有の自意識過剰で楽観的な推測に過ぎませんし、些末です。歴史の流れに忘れられずに残り得るのは、「三点セットを日本政府自らが一貫して認めて世界に向けて公言してしまった」という事実と当該文書のみです。こうしたことから、私は慰安婦問題については、現政府といえども「
H2712月の日韓合意」の故により、無責任極まりのない国賊の類と断じざるを得ません。
 
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付録:慰安婦問題で核心を為す政府首脳の発言と文書(三点セットの恐るべき一貫性)
(1)  平成4年4月「河野談話慰安婦関係調査結果発表に関する河野内閣官房長官談話」
・・慰安婦の募集については(中略)、官憲等が直接これに加担したこともあったことが明らかになった。また、慰安所における生活は、強制的な状況の下での痛ましいものであった。(中略)その募集、移送、管理等も、甘言、強圧による等、総じて本人たちの意思に反して行われた。当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題である。政府は、(中略)いわゆる従軍慰安婦として数多の苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われたすべての方々に対し心からお詫びと反省の気持ちを申し上げる
 
(2)H27年12月「慰安婦問題に関する日韓合意」
1.慰安婦問題は,当時の軍の関与の下に多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であり,かかる観点から,日本政府は責任を痛感している

(英文)(i) The issue of comfort women,with an involvement of  the Japanese military authorities at that time, was a grave

affront to the honor and dignity of large numbers of women, and the Government of Japan is painfully aware of responsibilities

from this perspective.
 
この合意文書については下記記事参照: