芸能スポーツではありませんよ!!

ノーベル賞ご受賞の件に関連して申しておきます。

科学技術の受賞は、歯むき出しでメダルに噛み付く芸能スポーツ賞ではありませんからね! 

大隅さん」と呼び、他国では当然の「Professor」はおろか「Dr.」もなしの「さん」!芸能スポーツグルメでは、選手、アスリート、プロ、シェフ・・・・だのの尊称を付けても、「科学技術立国(大嘘!)→(注1)」を標榜してもノーベル科学賞受賞者には「○×さん」。

他国では、学者・研究者にProfessor、Dr.、欧州独語圏のProfessor Dr.,が普通ですけどね。 ただの「さん」・・・スゴイw

畏友によれば、女子レスリングの「なんちゃら連勝」と山中先生の「iPS細胞のご受賞」とが日本のマスコミでは同列に論じられたとか・・・凄い国ですw

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(注1)以下の状況で「科学技術立国」はおこがましいでしょう!

D論修了後のポスドク(PD)時代の身分・収入は不安定そのものです。PDを3回やって(30代半ばになっています)、初回任期付きの助教・研究員になれない場合、以後のパーマネント職獲得は非常に困難(まず無理)。

首尾良くパーマネント職に就いても、短期即物的研究で論文数を稼がないとお召し放ちや無資金状態=研究断念=給与落ち敗残の危うさです。相当の実績・業績を上げていても、世間の扱いは駆け出しの馬鹿芸人・タレント未満。何しろ、畏友の言によれば、ノーベル賞受賞でようやく売れてるTV芸人やスポーツアスリート並みの扱いですからね。

ともかく、博士後期課程に行くのは相当なリスクを負うことになります。進学してD1やD2で学振研究員に採用されない限り、D論が終わって残るのは相当の巨額にのぼる奨学金という名の借金・・・。
博士前期修了で然るべき企業に就職する方が遥かに仕事・収入・人生設計が安定かつ確実です(無論、企業社会での競争は熾烈ですが)。このため、然るべき大学院では優秀な学生の多くが前期課程修了で社会に出てしまいます。

という次第で、受賞者の皆様が総じて「現在までは過去遺産、今後は危うい」とおっしゃっているのは故なきことではありません。研究社会の人間はみな同様の感想を持っています。つくば研究学園都市に行った際、仲間達に話を聞くと、子弟には医師や法曹資格を目指す子達が非常に多いとのことでした。日本の現状ではむべなるかな、必然の方向です。

その一方で、似非学者・大学教員のタレントは雲霞のように湧いているようですね。TVに出てくる日本の文系教授だの研究員だのには、D○合(注2)やらD合はおろか、M○合やM合ですらないのが跋扈しています。畏友によれば、毎週出てくる(来た)「造園家」やら、「国際政治学者」が「M合なしの大学教授」の典型例だそうで、D論終わった後はまともな学術論文を全く出していない「脳学者」タレントなんてのも跋扈して出鱈目を垂れ流しているとか・・・・。

かつて科学技術をダシに使って見得を切った謝某なんてのが野党第1党の党首になるんですからね!
「科学技術」をやたら鼓吹する一方で、実際は粗末にして止まないヒドイお国柄です! 

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(注2)
次の記事で、日本の大学教員と資格についてまとめておきます。おそらく、殆どの方々はご存じないと思います。中には、日本固有で、欧州ではあり得ないようなことになっています。