度の過ぎた構造的な中国依存症

今回の尖閣漁船事件に伴う中国の行動(資源、観光産業までをも含む経済、政治、対軍事的安寧・・・)は、今や我が国にとっての中国が生態学(ecology)で言う制限要因(→それ無しでは存続できない)」と化してしまい、中国はそれを存分に見透かしてトコトン強面使用することを端的に示したものです。 戦前の償い→途上国としての援助等々から始まって、当該問題に対する国民の不認識・政治不主導・欲ボケを戦略的互恵だの何だのと言葉だけ止揚aufhebenしたあげく(注)、もたらされた悪の果実と見えます。

科学技術立国と称している日本を見ていると、目先の業績稼ぎに中国人の院生(大学院重点化した院生定員充足)やらポスドク(目先の後腐れの心配なく3年使えて論文増産に好適)を連れ込み、奨学金・給料を与えて最先端の装置を用いた研究を学ばせて訓練する一方、肝心の日本人の学力低下・理工系離れ・研究訓練を事実上放擲する、といった状況です。外から見ていると、まともな国では考えられない「自傷行為」といえます。これまた、上記の「当該問題に対する国民の不認識・政治不主導・欲ボケ」のなせる技といえるでしょう。私自身は、このような趨勢はすでに量的・質的に膨大な慣性を伴っており、押しとどめるのは容易ではないであろうと考えています。日本人の大方の認識が得られれば、状況は変わりうるとは思うのですが・・・。

(注)「しっかりとやらせていただく」と「粛々と」は以前から民主党の連中が多用する言葉です:鳩山内閣、管内閣、民主党幹部のロートルからチンピラ兄ちゃん連まで。皆さんはさんは気がついたでしょうか。外交、安全保障、経済、雇用、介護、年金・・・・数え切れないほど
「しっかりとやらせていただく」を連発したあげく、彼らは一体何をなし得たのでしょうか。今次尖閣問題はどうでしょう、「粛々と対中国譲歩屈服」にこれ務めたのではなかったでしょうか。